- 2026/05/18 掲載
日立、米アンソロピックと戦略提携 インフラ向けAI開発と10万人規模の人材育成へ
電力や鉄道など重要インフラ向けのAIシステム開発
アンソロピックは「Constitutional AI(憲法的AI)」と呼ばれる独自の設計思想に基づくAIモデル開発を手掛けている。AIが人間に危害を加えず差別を助長しない価値観を組み込む仕組みであり、事実に基づかない情報を生成するハルシネーションを抑制する。日立は、この安全性を重視したAIモデルを重要インフラに適用する。
アンソロピックのAIモデル「Claude」を日立の次世代ソリューション群「HMAX」に組み込む。電力網や鉄道システム、産業インフラの運用において、自然言語での設備管理やリアルタイムの予兆保守を可能にし、システムの停止時間を抑制する。日立のセキュリティ専門組織「Cyber Center of Excellence」とアンソロピックが連携し、サイバー攻撃の検知および対応能力を引き上げる。重要インフラのサイバーレジリエンスを強化する。
日立は工場での実証実験において、自律学習ロボットがケーブル敷設作業を自己学習し、作業時間を47秒から10秒に短縮した成果を出している。設備故障の診断では、AIが原因究明と対策立案を10秒以内に90パーセント以上の精度で完了させた。こうした物理領域のデータ基盤とアンソロピックの推論能力を融合させる。
日立グループの従業員約29万人を対象に、ソフトウェア開発やコーポレート業務、ハードウェアの保守運用へClaudeを導入する。営業や企画部門などの非エンジニアを含む10万人規模の従業員を、AIを高度に活用する専門人材として育成する。社内で蓄積した知見は顧客向けソリューションに転用する。
北米、欧州、アジアを横断するグローバル組織「Frontier AI Deployment Center」を設立し、100人の専門家チームを配備した。なお、システムの脆弱性を発見する能力に特化したアンソロピックの最新AIモデル「クロード・ミュトス」は、今回の提携対象に含まれていない。
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