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- 2026/07/28 16:00 更新
キオクシア株が一時ストップ安、半導体株総崩れ…サンディスク急落が日本市場を直撃
キオクシアを襲った「一時ストップ安」の衝撃
キオクシアホールディングス株が2026年7月28日午前、一時ストップ安の4万4,550円まで急落した。前日終値の5万4,550円から1万円安。午前の終値は4万4,670円で、前日比9,880円安、下落率は18.11%に達した。出来高は2,923万7,700株、売買代金は1兆3,247億円を超えた。寄り付き直後には売り注文が買い注文の7倍近くまで膨らみ、特別売り気配を切り下げる異例の展開となった直接の引き金になったとみられるのが、米国発の半導体株安だ。前日の米国市場ではフィラデルフィア半導体株指数が大幅に下落し、米エヌビディアは約5%安、キオクシアと事業上の関係が深い米サンディスクも11%超下落した。AI関連株をまとめて売る動きが米国から韓国、日本へ広がり、株価上昇が目立っていたキオクシアに売りが集中した格好である。
さらに、中国の政府系企業が国産の液浸DUV(深紫外線)露光装置の製造を始めたとの報道も市場心理を冷やした。装置は中国の主要半導体メーカーに納入される見通しと報じられ、蘭ASMLが強みを持つ市場の競争環境が変わるとの警戒が浮上した。ただし、装置を安定した量産工程で利用できるかは別問題であり、この報道をキオクシア急落の直接原因と断定するのは早い。
キオクシアには固有の不透明材料もあった。米ビアサットとの特許訴訟では、米連邦地裁の陪審が約2億2,900万ドル(約371億円)の損害額を認定。キオクシアは「陪審の判断は到底容認できるものではない」とし、必要に応じて控訴する方針を示した。もっとも、急落を訴訟や中国製装置だけで説明することは難しい。むしろ重要なのは、AIへの期待で急上昇してきた株価と、過熱した株式需給である。
なぜキオクシア株はこれほど激しく動くのか
キオクシア株は、急落前から激しい値動きを繰り返していた。7月1日の終値は8万8,130円だったが、同月10日には7万7,000円、16日には6万2,110円まで下落。その後、21日は17%超上昇したものの、24日は9%超下げた。28日に一時4万4,550円まで売られたことで、わずか1カ月弱の間に高値圏から半値近くまで下落したことになる。これほど変動が大きくなった背景には、AIデータセンター向けストレージ需要への強い期待がある。キオクシアは2026年6月のInvestor Dayで、AIデータセンター需要の拡大などにより、企業価値が1年間で30倍以上になったと説明した。メモリ価格の上昇や需給逼迫、業績拡大への期待が株価を押し上げたという。裏を返せば、わずかな懸念でも期待が巻き戻されやすい状態だった。
株式需給も不安定さを増幅した。7月17日時点の信用買い残は1,388万7,900株に達し、信用倍率は36.75倍。信用売りに比べて信用買いが大幅に多い状態である。株価が下落すれば、含み損を抱えた投資家による損失限定の売りや、追加証拠金を避けるための決済が出やすい。さらに、株価が一時的に戻った局面でも、買値に近づいた投資家が手じまう「やれやれ売り」が上値を抑える。悪材料が売りを生み、その売りが新たな売りを呼ぶ危険な需給構造だった。
サンディスクとの深い関係も、値動きを連動させやすい。両社は競合である一方、四日市工場でNAND型フラッシュメモリを共同生産しており、2026年1月には合弁契約を2034年まで延長した。巨額の製造投資を分担できる利点がある半面、メモリ市況が悪化すれば両社が同じ影響を受けやすい。サンディスク株の急落がキオクシア株への連想売りを招く理由である。
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