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- 2026/06/03 掲載
決済“レガシーの壁”が破れる? インフキュリオンが描く変革とSMBC提携の意味
ネットニュース編集部で編集者兼記者、デスクを経て2005年6月から独立して現在に至る。専門はモバイル、決済、デジカメ、セキュリティなど。発表会取材、インタビュー取材、海外取材、製品レビューまで幅広く手がける。
「決済イネーブラー」はどのように生まれたか?
インフキュリオンは2006年に設立され、2026年で20年の節目を迎えた。同社が掲げる「決済イネーブラー」とは、単なる決済機能の提供ではない。従来、決済は「加盟店(フロント)」「決済ネットワーク」「銀行・カード会社(基幹)」といった複数のプレイヤーに分断されていた。
同社はこの分断されたレイヤーを、クラウドとAPIで再構成し、「フロントから基幹までを一体として提供する」ことで、企業が金融機能を自社サービスに組み込める状態を作ろうとしている。丸山社長は「基本的には業界全体に関わる、金融機関だけでなくB2C、B2B、決済に関わるすべての企業をアップデートしていくことを目指している」と話す。 特定のプレイヤーだけが成長するのではなく、新しいプロダクトや技術を通じ、決済・金融機能をより広い産業に組み込もうとしている。
インフキュリオン自体は、直接エンドユーザーに対して自社ブランドのサービスを展開するわけではない。SaaSを提供する事業者や小売・流通のリテール企業などが主体となってエンドユーザーにサービスを提供する中で、同社は、そうした企業を「後ろからアップデートする」(丸山社長)役割を担う。
実際に提供している商品は幅広い。消費者が支払いを行う実店舗のクレジットカード加盟店やeコマース、企業間取引における支払いや決済が発生するあらゆる場所・シーンを想定している。
決済端末やECの決済システム、そして請求書のクレジットカード支払いの提供といったフロントのシステムを提供するだけではない。カード会社や金融機関の基幹システムとフロントシステムの間をつなぐ領域もカバーし、クラウド型、API型のシステムを一気通貫で提供する。
同社のプロダクト群はすべてクラウド上で構築され、、「支払いの入口」「決済処理」「与信・カード発行」「企業間決済」という複数の機能レイヤーをカバーしている。これらをAPI単位で組み合わせることで、企業はゼロから金融システムを構築することなく、自社サービスの中に決済・金融機能を組み込むことができる。
丸山社長をはじめ、インフキュリオンの創業メンバーには日本発の国際ブランドであるJCBの出身者が多い。国際ブランドの運営からユーザーインタフェースの開発、加盟店開拓まで、決済に関するさまざまな領域を経験してきたからこそ、個別の領域に留まらず、包括的なソリューションを広く展開する戦略に至ったという。
しかし、新しい技術やサービスを社会全体に実装するまでの道のりは決して平坦ではなかった。金融・決済業界における法規制やセキュリティ基準、レガシーシステムの壁を乗り越えるためには長い時間を要した。
「それが10年で実現するのか、20年かかるのかという時間軸までは当初見えていませんでした」(丸山氏) 【次ページ】金融業界がクラウドに慣れていない時代を乗り切れたワケ
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