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- 2026/06/15 掲載
「中国も困るから台湾は攻めない」は本当か…TSMC海外移転で揺らぐ“半導体の盾”神話
連載:野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質
1940年、東京に生まれる。 1963年、東京大学工学部卒業。 1964年、大蔵省入省。 1972年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。 一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを歴任。一橋大学名誉教授。
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“半導体の盾”のリアル
「台湾の半導体産業が中国の侵攻を抑止する」という「シリコンシールド」論が、これまで広く信じられてきた。世界中の経済や軍事システムが、台湾の半導体製造企業(特にTSMC:台湾積体電路製造)に依存している。だから、中国が台湾を攻撃すれば、中国自身を含む世界中に甚大な損害が及び、世界経済がパニックに陥る。このため、中国自身もそのリスクを避けるだろうという考え方だ。しかし、最近では、「シリコンシールド」はTSMCの海外展開によって弱まりつつあるとの意見が目立つようになってきた。
同時に、台湾の最先端半導体製造能力、人材、サプライヤー集積は短期には代替できないものであり、実際上の抑止要因としては、なお機能しているとの限定的肯定論も根強い。
中央日報(韓国を代表する主要な日刊全国紙)日本語版は、昨年の記事で台湾の中華経済研究院長の見方を紹介している。
それによると、TSMCが米国に巨額の投資をしても、コストや人材、産業集積の関係で主要生産は台湾に残り、半導体の世界供給網における台湾の重要性は失われないという。
記事は、「護国神山という表現は依然として有効」と述べている。「TSMCの主要生産が台湾に残る限り、シリコンシールドはなお有効」との見方だ。
TSMCだけで台湾は守れない、半導体依存は「危険な怠慢」か
東洋経済オンラインが紹介している台湾『今周刊』による記事は、TSMCの対米投資によって台湾の「シリコンシールド」が失われるのかという問題を論じている。
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