- 2026/09/21 20:45 掲載
インシリコ・メディシンが匿名のAI企業と提携、生物学向けの基盤モデルを商用化へ
契約では、提携先が持つ独自の生成AI基盤モデルのアーキテクチャーに、インシリコの学習フレームワーク「MMAI Gym」と科学的な推論データを統合する。MMAI Gymは同社が構築した学習・評価の環境。インシリコ側は生命科学の幅広い専門作業を網羅する独自データを提供し、モデルが生成した結果は自社の実験室で検証にかける。その結果を再び学習へ戻す閉ループ型の開発体制だという。さらに収益分配の仕組みを設け、双方のパートナー網を通じて実用化を進める。
開発の重点は4つの領域。抗体やナノボディ、ペプチドといった結合分子の設計と最適化、次世代のゲノム編集ツールの開発、複雑な生体触媒や治療用途に向けた酵素の設計、そして配列の新規性や標的への結合の強さなどを同時に高める多目的の最適化である。
インシリコの創業者で共同CEO兼最高科学責任者(CSO)のアレックス・ジャボロンコフ氏は「生成AIは、バイオ医薬品の研究開発を単発のツールによる支援から、体系的で検証可能な科学のイノベーションへと押し上げつつある」とコメント。学習と反復を重ね、実験で裏付けられた生成生物学のエンジンを築きたいという。
業績も伸びている。2026年上半期の売上高は約1億600万ドル(約164億円)で前年同期比287%増。調整後の純利益は5,100万ドルを超え、上場後で初めて黒字の半期になった。米イーライリリーとの提携をはじめ、武田薬品工業やSK Biopharmaceuticalsなどとの契約が寄与した形だ。2026年に開示した契約総額は約73億ドルに達した。
生成AIで生み出した治療薬候補Rentosertibは、特発性肺線維症を対象とする第3相臨床試験の段階に入っている。AI創薬が研究段階から実用段階へ移りつつあることを示す動き。
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