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生成AIを「禁止」するリスクとは…?サイバーエージェント実践の「逆転の解決策」
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生成AIを「禁止」するリスクとは…?サイバーエージェント実践の「逆転の解決策」

AIの台頭はビジネスに歴史的な転換期をもたらしている。しかし、多くの企業では「情報漏洩」や「著作権侵害」といったリスクを恐れるあまり、AIの利用を厳しく制限しているのが現状だ。強固なセキュリティーを担保しながら、事業スピードを圧倒的に加速させることは不可能なのだろうか。約10年前からAIへの投資を続け、全社でAI活用を推進する先進企業・サイバーエージェントも、この「使うリスク」と「使わないリスク」のジレンマに直面してきた。同社の主席エンジニア・野渡志浩氏が、現場の活力を削がずに、AIによってセキュリティー業務そのものを革新する最前線のアプローチを解説する。

従来型セキュリティー対策の限界と、サイバーエージェントが直面したジレンマ

 生成AIの波がビジネスのあらゆる領域に押し寄せる中、企業のセキュリティー部門やIT部門は日々頭を抱えている。従業員が勝手に顧客データや機密情報をAIに入力して情報漏えいを引き起こすのではないか、他社の著作権を侵害した画像を広告に使ってしまったらどうするのか。こうした「使うリスク」への強い懸念から、多くの企業が生成AIの利用を原則禁止したり、極めて限定的な部署でのみ許可したりと、強固な規制を敷いている。

 しかし、過度な規制の裏側で、現場のエンジニアやビジネス部門からは不満が噴出する企業もあるという。話題の最新ツールを使えば効率が上がるのに、会社が禁止しているためモチベーションが低下してしまう。さらに深刻なのは、現場の社員が隠れて無料のAIツールを使ってしまう「シャドーAI」の横行である。結果的に、管理部門の目の届かないところでデータが処理され、ガバナンスの空白を生んでしまう可能性もある。

 実は、インターネット広告事業を主軸に、メディア&IP事業やゲーム事業を展開する「サイバーエージェント」も、AIの急速な普及期において同様の課題に直面していた。同社は2013年頃からAIへの投資を開始し、2016年には約100名規模の研究組織「AI Lab」を設立するなど、約10年に渡ってAI活用の礎を築いてきた先進企業である。

 しかし、2022年から2023年にかけてChatGPTなどの生成AIが一般化し、業務への利用が浸透し始めると、同社のセキュリティー部門も「ルールを整備しなければ、何らかのセキュリティーリスクが顕在化しかねない」という強い危機感を抱いた。

 そこで同社は、単に「禁止」するのではなく、セキュリティーと事業成長の両輪を回すための「逆転の発想」へと舵を切った。それが、情報漏えいなどの「使うリスク」だけに目を奪われず、AIを「使わないことによって生じる事業リスク」を直視し、セキュリティー専任組織自らがAIを使い倒すという実践的なアプローチである。果たして、現場の活力を削がずにセキュリティー業務そのものを革新する「逆転の発想」とは、どのようなものなのだろうか。

この記事の続き >>

  • ・「使うリスク」より怖い「使わないリスク」の正体

    ・優秀な人材が「AIを禁止する企業」から離脱する理由

    ・過去の対応履歴を資産に変える「独自AI」の実力

    ・開発速度5倍の時代を生き抜く「自律型・脆弱性診断AI」

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