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  • 2025/05/26 06:10 掲載

なぜ日清食品・サイバーエージェント「生成AI利用率」が超高い?賢い社内制度の秘密

連載:デジタル産業構造論

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生成AIを導入してみたものの、社内での利用が広がらない──。そうした悩みを抱える企業は少なくない。実際には、意識の高い一部の社員だけが使っている状況にあり、会社全体の変革にはつながっていないケースも多い。生成AI活用を社内に浸透させていくには、現場の社員が自発的に使いこなすような文化・意識づくりが欠かせないが、それを実現するのは簡単ではない。本記事では、社内利用率の高さで注目される日清食品グループと、サイバーエージェントの生成AI活用を社内に浸透させるための工夫や戦略を解説する。
執筆:法政大学 デザイン工学部システムデザイン学科 准教授 小宮 昌人

法政大学 デザイン工学部システムデザイン学科 准教授 小宮 昌人

法政大学 デザイン工学部システムデザイン学科 准教授 / d-strategy,inc / Third Ecosystem,inc / Inclusive AI,inc 代表取締役CEO

 野村総合研究所、産業革新投資機構JIC-VGIなどを経て現職。法政大学 デザイン工学部 システムデザイン学科 准教授として、産業価値デザイン研究室にて生成AI・AIエージェントや、フィジカルAI・AIロボット、データスペースなどデジタル技術・先端技術をビジネスや社会の価値へ転換するための手法論の教育・研究を実施。

 戦略・DX支援企業のd-strategy,inc(企業のAI変革、DX戦略、デジタルソリューション戦略)を創業し代表取締役として、フィジカルAI、AIエージェントをはじめとするデジタル化・自動化・技術変化の中での企業やスタートアップのDX/ソリューション・イノベーション戦略を支援。

 また、グローバルでのスタートアップエコシステム連携プラットフォームのThird Ecosystem,incの代表取締役CEOとして海外・国内のスタートアップエコシステム(VC/CVC/企業/大学/政府機関/スタートアップ)の連携・活性化、スタートアップ企業やエコシステム企業の海外展開支援や、海外スタートアップの日本展開に取り組む。

 Inclusive AI,incにおいて盲ろう者(目が見えない・見えづらく、耳が聞こえない・聞こえづらい)、視覚障害者、高齢者等向けのAIエージェントなどのAIサービス開発を実施。「制約のある方を含めすべての方が前向きに活き活きと暮らし、学び、挑戦できる世の中」をAIエージェントやフィジカルAIを通じて実現していくことを目指す。

 最新刊として『フィジカルAI進化論~自律するロボットとともに作る産業の未来~』(SBクリエイティブ)を26年10月1日に出版予定。

 その他、近著に『生成DX~生成AIが生んだ新たなビジネスモデル~』(SBクリエイティブ)、『メタ産業革命~メタバース×デジタルツインでビジネスが変わる~』(日経BP)、『製造業プラットフォーム戦略』(日経BP)、『日本型プラットフォームビジネス』(日本経済新聞出版社)があり、ビジネス+IT連載『デジタル産業構造論』、MONOist等にてWebメディア連載。

 youtubeチャンネル『フィジカルAI時代の産業論 (d-strategy / Third Ecosystem 小宮昌人)』 @dstrategyinc にて生成AIをはじめ産業のデジタル化を解説

なぜ日清食品・サイバーエージェント「生成AI利用率」が超高い?賢い社内制度の秘密の画像
なぜ、日清食品グループ、サイバーエージェントは「生成AIの利用率」がここまで高いのか?
(提供:アフロ)

日清食品グループの工夫(1):推進者選びが大事なワケ

 日清食品グループは早期から生成AI活用に取り組み、営業部門では70%を超える利用率の達成した。この実績を皮切りに、営業部門に限らず、あらゆる部門への横展開を進め、社内に100を超える「プロンプトテンプレート」が作られているなど、日本の中でも生成AI活用のフロントランナー的存在だ。

 AIや生成AIを導入したものの、社内への浸透で苦労する企業も多い中、日清食品ではどのように社内に生成AI活用を拡げていっているのか。日清食品ホールディングス 執行役員 CIO グループ情報責任者の成田敏博氏に解説いただいた内容を紹介する(取材日:2024年9月時点)。

photo
日清食品ホールディングス
執行役員 CIO グループ情報責任者
成田敏博氏
 社内に生成AI利用の仕組みを作ったとしても、「どう使って良いかわからない」「成果が出るのかわからない」と様子見になってしまうことがある。これを防ぐ上でも、まず小さくても成功パターンを作ってしまうことが「社内浸透」には効果的だ。

 小さい成功体験を作る上でも、社内の中の積極的に技術導入や活用を行う「アーリーアダプター」となる個人や部門を特定し、その人・部門を中心として、集中的に成功事例を作り上げることが重要となる。

 日清食品グループにおいては、推進チームのメンバーに生成AIへの関心が高い社員を募ることにより、モチベーションの高い組織で推進している。加えて、グループの中でも特に効果が出やすい営業部門でまず成功事例を作り、そこから横展開を進めた。

 生成AIの成功事例を作っていく上では、生成AI組織やDX部門などのみが推進を進めるのではなく、現場部門と連携し、彼らのオペレーション課題や変化仮説に基づいて取り組みを進めることが重要になるのだ。

画像
日清食品グループにおける営業部門での成功事例の横展開
(出典:日清食品ホールディングス)

 そうした体制を作るにあたり、各部門に推進を進める「アンバサダー」を増やしていくことも重要だ。こうした人材は社内にいないと思いがちだが、生成AI導入企業も「隠れたAI人材は社内に眠っていた」と語る企業が多いように、「生成AIを活用して業務を改善できるのではないか」といった問題意識を持っていたり、「生成AIやテクノロジーについて深く取り組んでいきたい」という意欲を持っていたりする従業員は年齢や部門などに関わらず各現場に存在している。こうした社内の眠っている層を掘り起こしていくことも重要だ。
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日清食品グループの工夫(2):150種類のプロンプト集とは

 生成AIの社内での活用をより広げていく上では、各個人において業務で活用できるイメージを持ってもらうことや、プロンプトなどを検討するハードルを下げることが重要になる。

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