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- 2026/05/25 掲載
なぜ日本発IPは日本で稼げないのか?NARUTOはフランス、ドラゴンボールはサウジに開園
1997年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業、早稲田大学教育学術院国語教育専攻修士課程修了。テーマパークやチェーンストア、都市についての原稿を主に執筆。著書に『ニセコ化するニッポン』(KADOKAWA)『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』(集英社)『ブックオフから考える』(青弓社)がある。
なぜ「NARUTO」パークは日本ではなくフランスに作られた?
「NARUTO 木ノ葉ランド」は、南フランス・モントゥーのテーマパーク「パルク・スピルー・プロヴァンス」内に開業した『NARUTO-ナルト-』の常設テーマエリアである。約1.5ヘクタールの面積で同作の舞台「木ノ葉隠れの里」を再現している。また、全長1キロメートル超、最高時速75キロメートルの大型コースター「九尾アンチェインド」や「螺旋丸チャクラ・ローテーション」などのアトラクションに加え、火影屋敷、火影岩、木ノ葉の門、ナルトとサスケのフォトスポットなどを備える。NARUTOを「読む」だけでなく、「体験する」空間へ転換したといえるだろう。
もちろん、「パルク・スピルー」にNARUTOのエリアが誕生するのは偶然ではない。そもそも同園自体が、フランス独自のコミック文化である「バンドデシネ」をテーマにしたパークなのだ。
「バンドデシネ」とは、フランスやベルギーなどを中心とした地域のコミックの総称である。現地においてコミックは「第9の芸術」として高く評価されており、世代を問わず日常的に親しむ文化として深く定着している。
そうした下地があったからこそ、海を越えてやってきた日本の「マンガ」も広く受け入れられてきたのだ。その点で、NARUTOエリアが誕生するのは、まったく違和感がない。
現在、フランスのコミック市場において、日本のマンガは圧倒的な存在感を放っている。出版ニュースサイト『ActuaLitte』によれば、フランスのコミック(バンドデシネなどを含む)市場全体の中で、日本の「マンガ」単体が占める割合は実に27.3%にのぼり、書籍全体でも5%に達するという。
日本のマンガが広くフランスで受容されていることがわかるだろう。同記事では、2021年のマンガ販売数の上位タイトルとして、『鬼滅の刃』や『ONE PIECE』とならび、『NARUTO』が挙げられている。
単に売れているだけではなく、フランスで日本のマンガを広げた存在として、NARUTOは特別なポジションを持っている。輸入された当初からオンラインコミュニティなどを通じて熱心なファンが存在し、社会現象とまでいわれているのだ。
フランスで『NARUTO -ナルト-』のマンガ・アニメを出版・配信してきたMedia-Participationsグループは今回のNARUTOエリア建設にあたり、次のようなコメントを出している。
20年以上前、『NARUTO -ナルト-』は私たちの人生に飛び込み、フランスの文化を大きく変えました。
そして今、『NARUTO - 木ノ葉ランド』という没入型エリアを通じて、この名作との特別な絆が形となります。
こうした流れから、バンドデシネのテーマパークであるパルク・スピルーにNARUTOエリアができることは、まったく偶然ではないのである。
ジャンプの大型パークが「日本に存在しない」残酷な現実
このような必然性があるとはいえ、やはり「ジャンプ作品」をはじめとする日本生まれの強力なIPのテーマパークが、なぜ国内に誕生しないのかと思わなくもない。
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