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- 2026/09/22 16:00 掲載
【AIが自律的に敵を発見し殲滅】ウクライナで進む「AI自律戦争」の行方
人間とハード中心から、AIとデータが戦況を左右するAI自律戦へ
敵の発見から攻撃までのキルチェーンは十分の一に
敵を発見し、位置を確認し、攻撃手段を選び、実際の攻撃につなげる一連の流れを軍事用語で「キルチェーン」と呼ぶ。従来は、前線で得られた情報を上級司令部へ送り、確認した上で攻撃部隊へ命令を伝える必要があり、時間がかかっていた。しかしAIやデジタルシステムの導入により、このプロセスが大幅に高速化した。戦車や自走砲は攻撃後すぐに移動するため、発見から20分後ではすでにその場にいない可能性が高い。数分以内に対応できるかどうかが、攻撃の成否を左右する。この変革の中核にあるのが、ウクライナの戦場情報統合プラットフォーム「DELTA」だ。「DELTA」は2014~2015年ごろ、ボランティアのエンジニアらによる活動から発展し、その後ウクライナ国防省のシステムとして整備されてきた。従来の軍隊では、情報は前線から司令部へ階層を上がり、命令が再び上から下へ降りてくる。これに対して「DELTA」では、前線の兵士から上級司令部まで、権限を持つ関係者が同じデジタル地図や戦況データを共有できる。
このDELTAはウクライナ侵攻当初の2022年2~3月の「キーウ防衛戦」で早速その威力を見せつけた。米陸軍士官学校のModern War Instituteによる戦闘分析では、ウクライナ側のドローンが北方のM01幹線道路をキーウへ向かう大隊規模のロシア軍戦車部隊を確認した際、DELTAの指揮センターは、その部隊が北東部の村々に集結していた段階から数週間にわたって動きを追跡していたという。
DELTAにはドローンだけでなく、民間の監視カメラや交通カメラ、衛星、住民から寄せられた情報なども集約された。数で劣るウクライナ軍が「敵がどこにいるのか」を共有し、限られた兵力や火力をどこへ向けるか判断するための共通状況図として機能したのである。
企業でいえば、本社だけがデータを持つのではなく、経営陣と現場が共通のリアルタイムダッシュボードを見ながら意思決定するようなものだ。戦場では、この情報共有の速さがそのまま戦闘能力につながる。「DELTA」には、ドローン映像をリアルタイムで共有する「Vezha」をはじめ、衛星画像、通信傍受情報、地上センサーなどさまざまなデータが集約される。複数の情報源を一つにまとめ、戦場全体を可視化する巨大なデータ基盤として機能している。
AIが実戦映像で敵を学習、より賢い戦争AIへ
また、ウクライナでは「Avengers AI」と呼ばれる画像認識技術も活用されている。ドローン映像から戦車、自走砲、防空システム、歩兵などをAIが自動的に検出し、人間のオペレーターを支援する仕組みだ。報告されている数値では、AIは1つの目標を平均約2.2秒で識別し、リアルタイム映像で約70%の検出率を実現しているという。毎月10万本を超えるドローン映像を処理し、週に約1万2000件の敵の検知や対応を処理しているとされる。
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