- 2026/09/22 12:20 掲載
米OpenAIが数学者9人の独立諮問グループ発足、AIが未解決問題を100件超解決と発表
諮問グループは米プリンストンの高等研究所(IAS)に拠点を置く。初期メンバーは、英ケンブリッジ大学などのティモシー・ガワーズ氏、IASのエドワード・ウィッテン氏、マーティン・ヘアラー氏ら9人。フィールズ賞受賞者も名を連ねる。
OpenAIによると、モデルの進歩の速さは社内の数学者たちを驚かせたという。この急速な進展をどう数学界に伝えるかが社内で議論になっていた。
発足の背景にあるのが、数学界からの反発である。公開書簡「A Severe Misalignment of AI in Mathematics」では、フィールズ賞受賞者25人が、難問を解くこと自体を新しいAIの性能指標に据える風潮に警鐘を鳴らしていた。査読も先行研究への言及もないまま答えだけが量産されれば、数学特有の知識継承が断たれかねないという懸念だ。
OpenAIはこの批判を、AI企業が数学界と丁寧に向き合う必要性を示すものと受け止めた。諮問グループは、新たに出てきた成果の重要性の評価、公表の進め方、研究上の規範などについて助言する。研究や学習をツールでどう支えるかも対象だ。
一方で、グループはOpenAIから独立して運営される。メンバーは同社から報酬を受け取らず、求められていない助言を出すことも、OpenAIが数学に与える影響を公に論評することも自由だという。ただし「社内の数学研究をどのようなペースで進めるかについて、グループは助言する責任を負わない」とOpenAIは明記した。
グループ側も経緯を説明している。OpenAIが一部のメンバーに社外諮問委員会の設置を打診したのが発端だが、メンバーはその枠組みをそのまま受け入れず、独立した組織として立ち上げたという。当面の課題は多数の重要な成果をどう公表するかの調整で、数学者から意見を募るフォームも設けた。
同社は8月にも、次期モデル「Astra」の社内版が数学と理論計算機科学の未解決問題10件を解いたと公表している。今回はその規模が一気に10倍以上へ膨らんだ形。AIが生む成果を誰が検証し、信頼性を担保するのか。問いはいっそう重くなる。
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